ピアノひみつ道具③コンクール対策に「じこひょうかボード」
*はじめに『ピアノひみつ道具〜練習のつらさをやわらげる処方箋』をお読みいただけると幸いです
ピアノひみつ道具③
コンクール対策に「じこひょうかボード」
■目的1:自分の課題を自分で見つける
□使用法
・目標の曲の仕上げの段階で使用します。
・本番を想定して、まずどのようなことに気を
つければよいか、ボードの内容を一緒に確認
します。
①正確さ
②音の美しさ
③拍子感
④明確なリズム
⑤テンポの安定
⑥バランス
⑦デュナーミク(強弱)
⑧時代にふさわしい表現
⑨和声感
⑩曲の構成(ものがたり)
⑪音楽を楽しむ力
⑫ステージマナー
・本番を想定して通し練習をしたら、ボードに
点数を記入していきます。
各項目10点満点、合計120点満点が分かりやすそうです
・10点に届かないところ、弱いところを強調して
その日のレッスンの課題とします。
ホワイトボードのペンですばやく書いて消します
・課題がクリアできたら、もう一度弾いて点数を
つけます。
・合計点数が上がると、とても嬉しいです。
・本番までに何度か評価を試み、いずれは、
自分で採点ができるようにします。
□ねらい
・すべてが理解できなくても、このような要素が
音楽の美しさと楽しさにつながっていることを
なんとなくイメージすることが最初の目的です。
・これらの項目は実際にあるコンクールの審査の
目安として提示されているものなので、いずれ
きちんと理解し、音楽表現の重要な要素として
整理,定着させることを目標とします。
□解説と実例
今年もコンクールの季節がやってきました。
ピアノを弾いて、自分が楽しいだけではなく、
客観的な美しさを追求するコンクール。
細かな一音一音を磨いて、なお大きな形として
仕上げる作業は、小さなお子さんでなくても
難しく、自分との戦いです。
この音が美しくなるようにがんばったら、
今度はこっちの音の注意を忘れてしまうとか、
フレーズをしっかり歌えるようになったけど
拍子感がすっぽり抜けているとか、
わかっていても、意識が行かないというのは
集中力の問題です。
レッスンで、集中力のなさを指摘するのは
つらいことです。「もっと集中して!」と
先生に注意されたら必ず集中できるように
なるとも思えません。
私が生徒だったら、落ち込むと思います。
うまくできない自分を追い込むだけで、
視野が狭くなり、悪循環だと思いました。
このボードを使い、自分で自分を評価する
ことで、先生に言われたから悪いのではなく、
何をどのくらい頑張ったら音楽の美しさに
近づくことができるのか、自分の先生は、
自分の中にもいることを気づかせ、それを
集中の助けとすることが少し、できるように
なっている気がします。
ホワイトボードに書いて消す、という作業も
子供さんたちは大好きです。
学校の通信簿の概念のある小学1年生程度の
お子さんから、喜んで使っています。
□自作なので、作り方
土台は100円ショップのホワイトボードです。
WordのようなPCソフトで制作したものを、
透明なOHP用紙に印刷(レーザープリンタで
出力)し、両面テープで貼り付けました。