帝王ゲルギエフと、変態トリフォノフ(1)
ワレリー・ゲルギエフ指揮、マリインスキー
歌劇場管弦楽団&トリフォノフ@愛知県芸術
劇場に行ってきました。
トリフォノフ&ゲルギエフのチャイコン!
3階席までぎっしり満員のコンサートホール。
今回の席は2階席左脇、ちょうどゲルギエフが
背後のトリフォノフに体を向けたとき正面に
くるビジョン。
トリフォノフ名物の顔芸は拝めませんが、割と
面白そうな角度で、ゲルギエフが登場するドアが
正面に見られる位置でした。
プログラムは、
シチェドリン/管弦楽のための協奏曲第1番
『お茶目なチャストゥーシュカ』
チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番 op.23
チャイコフスキー/交響曲第6番op.74『悲愴』
ロシア、ロシア、ロシアー!
作曲者も指揮者もソリストもみんなロシアー!
開演ブザーが鳴り、オーケストラが登場し、
わくわくのチューニングをし、ゲルギエフの
登場するドアが開けられ‥
暗がりから大きなシルエットが大股で揺れる
姿が目に入った瞬間、ものすごいオーラに
やられました。
今まで感じたことのない強烈な、大きな闇の
帝王のようなオーラ。
戦闘能力が高すぎて予測不能、スカウターが
処理の限界値を超えて破壊されそうだ。
プログラム1曲目はシチェドリン。
今回唯一の、とっても楽しい洒落た曲。
管弦楽器のあちこちでソロが入れ替わって
南米風でありビッグバンドジャズのようでも
ある、超楽しい音楽。
パーカッションが5人もいて大小さまざまな
打楽器で魅せ、他からも耳慣れない音がする
と思ったら第一ヴァイオリン後方のふたりが
弓の根元を譜面台の金属部分に打ち付けて
リズムをとっている。紳士なコントラバスも
ウッドベースばりにノリノリ。
ゲルギエフは多く動かず、そのオーラだけで
無駄なく効率的に引っ張って…
まだ本気じゃない、力を出し切らず何かに
残しているような予感。
このときの私は、そのあとやってくるチャイコ
の衝撃を予想だにしていないわけです。