第1回ブルグミュラーコンクール
ピティナの提携コンクールとして、今年初めて
「ブルグミュラーコンクール」が開催されました。
”日頃レッスンで使うピアノ曲、ブルグミュラーの
作品を学び、ピアノ学習においてより豊かな表現を
追求する素地を養うことを目的”とされています。
(ブルグミュラーコンクール要項より)
11月下旬から東日本の9カ所で地区大会(予選)、
東京ファイナル(本選)は12月23日に浜離宮朝日
ホールにて行われ、息子(11歳)が東京ファイナル
に進んだので一緒にでかけてきました。
本当に素晴らしいホールで…響きの美しさに
圧倒されます。
弾く人は、さぞかし気持ちがよいだろうなと
思いましたが、演奏後の本人にきいたら響きの
良さはあまりよくわからなかったそうで、少し
隣りの音をひっかけてしまったミスもあり、
あ〜あ、という感じ。
課題曲のブルグミュラー作品は、今年の夏から
わりと長く取り組んだ曲で、思い入れもあり、
今回、完璧には弾けなかったけれども、年末の
区切りにこんな素敵な場で、一流の審査員の
方々に聴いていただけたことに、感謝しようと
気持ちを切り替えて、結果発表の会場へ。
せっかく遠くまできたので何か賞状がもらえたら
いいな、くらいに思っていましたら、なんと、
金賞をいただいてしまいました。
つねづね憧れ続けてきた金賞のトロフィーが
思いがけず彼の手の中にあり、私も、本人も、
実感がなく、えっこんなはずでは…と思った
のが、正直なところでした。
だってコンクールのファイナルの金賞と言えば、
目指す音楽のまだまだ遠くの先にあり、とても
今その段階にはいないと、心から思いました。
そしてどんどんトロフィーが過剰に大きく、
自分たちがどんどん小さく思えました。
この賞に値するにはまだまだ努力が足りないし、
いつかこのような賞に納得できる日など永遠に
来ない、途方もない気持ちになり、それは息子
本人も同じように感じたと言っていました。
それからあとで、またそれは、私たちがつねづね
憧れ続けている、もっと金賞にふさわしい存在の
ような人たちも同じく感じてきたことなのでは
とも思いました。
賞に恥じないように、ひたすら謙虚に真摯に、
音楽の中心を求め続けているさまが、音を輝かせ
聴く人をひきつけ続けるのだと思いました。
受賞の喜びより、そもそもの自分の無力さと、
それでも今いる場所にまで引き上げてくださった
恩師の先生への感謝と、その門下のお仲間たちや
私の教室の生徒さんたちの応援の心強さとで、
本っ当に、自分たちだけでは無理だったね…と、
ふたり意見をかみしめ合いました。
この確認を経て、スイッチがカチッと次に進む
ように気持ちが押され、これからがスタートな
気がするね、と月並みにも言い合ったことでした。
息子も来年は小学生最後の歳になり、相変わらず
学校では忘れ物が多く、通信簿もぱっとせず、
担任の先生には席のまわりにいつも何かが落ちて
いますよ…と心配がられる拙さですが、まだまだ
これまで以上に音楽の中心に向かって、彼なりに
走り続けてくれるように願います。
そして昨日のクリスマスには相も変わらず一途に
ドラクエグッズのプレゼントに大喜びした彼…に、
さあ来年も
ガンガンいこうぜ!
と言いたい気持ちです。