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ラグタイムでなければ(2)

2014年12月24日

メリークリスマス、今日は雨です。
明日は雪だそうです。
昨日はくもり。その前はずっと雪でした。

北陸の冬は、とにかくまあ晴れません。
週間天気予報でオレンジなしのグレースケールが
三ヶ月続きます。
東北地方など、雪が多くてもその後晴れることが
多いそうで、太陽が雪に反射して雪焼けするほど
だとききます。
いいですよね。

大人になってから、北陸の冬を経験された方は、
あまりの日照時間の少なさに一度は参ってしまう
ことも多いとか。
子供は、わりと平気みたいですけど。
子供は自ら発光してますからね。

また既に慣れて順応済みでも、体調がすぐれない
とき、少しなんかうまくいかないとき、待ち構えて
追い打ちをかけるように日が照らなくて、じわりと
常に寒くて、部屋がどこかしら狭く感じ、真綿で
少ーしずつ首を締めるような力を秘めているのが、
北陸の冬ってやつです。

参った。降参します。
私も何かのタイミングが重なって負けを認めた
しょぼい雪の日がこの前ありまして、でも凍える
手足を縮めて車に乗り、エンジンをかけたら
この曲が鳴ってきまして、

Gardenia/William Bolcom


*音源等がなかったのでとりいそぎ自分で弾きました

大好きなボルコムのラグタイムですが、この少し
だれたような幸福感にからだも心もあたたかく
くるめられたことだ、という話です。

雪で凍える外気にさらされ、お空はちっとも
晴れないが、家に帰り着くと必要以上に燃える
石油ストーブ、あたためられた周囲が熱で僅かに
揺らいで、結露で曇った窓ガラスは冷たくなり、
でも足からじわりと温いこたつ毛布にくるまると、
幸せです。
しばらくしてちょっと元気になり、みかんでも
食べるというものです。

Gaedenia を調べたら、”くちなし”の花でした。
img_0.jpeg

ほんわかとわかりやすいメロディーに、半音階で
うねうねと美しい内声がショパンのように詩的に
かぶさっていながらこの皮肉めいた響きが何とも
たまりません。
ずっとこんなにあたたかいのに、最後は致命的に
暗く終わるのも、たまりません。

ラグタイム、とくにジョプリンの作品ではよく
植物の名がタイトルになっています。
メイプルリーフ ラグ は楓、
フィグリーフ ラグ はイチジクの葉、
グラジオラス ラグ でグラジオラスが大好きに
なりました。

思うに、ラグ全盛期は20世紀初めのアメリカで、
酒場や宿屋で演奏されていたわけなので、
日常の些末な憂さを晴らすのが役割としてあり、
普段の生活をさりげなく、でもみずみずしく彩る
植物のような存在だったのでは。

植物のラグタイムには、いわゆるクラシック音楽
における
神よ!とか
悲愴!とか
革命!とか
人生!とか
そんなような重いテーマはなくて、ジャズや
ブルースやロックのようにウェーイ!とかを
叫びたくなる熱量や、バチバチ感もなくて、
(ある曲にはたくさんありますが)
押し付けがましくなく、ただそこにいて、
世の中のどうしようもなさに共感し、でも
マーチの音型は崩さずに、日々を生きる元気と
少しのユーモアをくれるのが、ラグタイムの
持つ力と思います。私にとって。

こんな冬は、ラグタイムでなければなあと、
また思ったことでした。

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