春はまだかなラグタイム
寒いです。
たしかに、日照時間は増えてきました。
朝の光が明るくなってきました。
でも寒いです。
ちょいちょい雪降るの、もういいです。
春はまだかな、と思ってのラグタイムを
弾きました。
4曲からなる組曲「エデンの園」の4曲め
終曲が「Through Eden’s Gates」です。
アダムとイブの、散歩なのでしょうか。
タイトルにCakewalkと記されていて、この
ほんわか明るい音楽の運びと、魅惑的な指の
配置が夢のように好きな一曲です。
聖書は詳しくないのですが、このほんわかな
音の並びからどう解釈したらいいのでしょう。
ボルコムさんの資料が日本語ではほとんど
無いので研究不足のまま、勝手に弾いてます。
ご意見、ご教授お待ち申し上げております。
ボルコムラグは、あまり多くはありません。
この可愛らしい1冊の楽譜にほとんどが
詰め込まれています。宝物です。
もし無人島に1冊だけ楽譜を持っていって
よいとしたら、私は迷わずこれを選びます。
単純に暗譜しにくいし。
ボルコム作品の中でも、いちばん有名なのが
この組曲「エデンの園」の3曲め、
「The Serpent’s Kiss (蛇のキッス)」です。
参考資料に去年余興で弾いたものを。
ロックな低音からはじまり、蛇のうねる
不協和音から、足を踏み鳴らしてピアノの
ふたを叩いて、ヒステリックでお洒落。
ラグ・ファンタジーと記されているとおり
幻想的でロックで確かにラグタイムで、
しかも組曲として前後の3曲のモチーフを
大切につなげている、最高に楽しい曲です。
曲は楽しいけど、演奏は苦しそうです。
く、苦しくても、大きな包容力で笑って
くれそうなあたたかさが、ラグタイムには
あります。
ヒステリーを認めて優しく笑って、冷えた
手足をぬくめ、凍てついた地面を溶かす、
春の陽射しのような。
春はまだかな、ラグタイム。