トリフォノフについて(2)
新譜が出たことですし、トリフォノフについて
私的な聴きどころをまとめてみることにしました。
これからトリフォノフを聴いてみようかな〜
と思われている方へ、ちょっとご参考になれば
嬉しいです。
■聴きどころ その1:「クリスタルの如き美音」
彼のキャッチコピーで使われていますが、本当に、
この世のものとは思えない、美しい音です。
特にピアニッシモ以下のとろけるような弱音は、
そろそろ私…浮くんじゃないかと思うほどです。
脳への催眠効果があるのかもしれません。
私がキャッチコピーをつけるなら、「超・浮遊感」
です。
▽おすすめ音源:
ショパン作曲/ピアノ協奏曲1番2楽章
7分半あたり、水滴の表現は圧巻です。
音源を聴かれる際は、できれば部屋や車に籠って
音量を大きくするか、ヘッドホンなどで耳を集中
してみてくださいね〜
■聴きどころ その2:旋律ごとに蠢く生命
「歌の人」と言われることもある彼ですが、
テーマとなるフレーズをそれは美しく大切に
歌うのと同時に、脇役となるその他の旋律にも
ことごとく眩しい生命を与え、大きな立体感を
生んでいます。
美しい自然の中にいて、目の届かない土の中にも
無数の生命が蠢いていることに思い当たるときの
ような、はっとする曲作りがあります。
▽おすすめ音源:
シューベルト作曲=リスト編曲/献呈
■聴きどころ その3:爆裂的なテクニック
数々のコンクールで賞を総嘗めにしていますが、
あまりばりばりと弾くメカニックを得意として
いるわけではないようです。
でも時々のアンコールなどで、物凄い爆演を披露し
体力とサービス精神と、計り知れない才能を見せて
くれます。
自ら作曲や編曲をし、指揮にも興味があるといい、
現在はスケジュールをぬってオーケストラの作曲も
しているそうですから、いつか自作曲の弾き振りも
見られるかもしれません。見たいなあ。
▽おすすめ音源:
シュトラウス作曲・トリフォノフ編曲/喜歌劇「こうもり」
お気に召した曲など、何かご感想をお持ちの方が
おられましたら、ぜひご意見をお寄せくださいね。
語りましょう〜