1歳の卒業生を送り出す
リトミック1歳クラスの生徒さんがお1人、関東へお引越しのため
今日で最後のレッスンとなりました。
彼女はこの夏、1歳のお誕生日をすぎてほどなくから、レッスンに
通ってくださっていました。
お母様とよく似た、ふんわりと愛らしい雰囲気、でも感覚はとっても
シャープ。
リトミックの即時反応、ゴーストップでは、ピアノの音が止まったら
!
(これは、止まらなければいけない休止状態っ)
という顔でピアノを見て、からだも急ブレーキで止まってくれます。
この表情がもう本当に可愛らしくて、それを見たさについ多めに
ストップをかけてしまうこともありました。
夏のはじめの頃、いっぱいに伸ばした手をお母様と懸命につないで
とつとつと歩くのも素敵でしたが、今はすっかり足腰を安定させて
8分音符の早いテンポに合わせて駆けまわることができます。
あるときじっと黙って活動を見つめて、あまり笑顔がないんですね。
あ、ちょっと難しかったかな…それとも気分じゃなかったか、と
こちらが思ったとき、ぱっと顔をあげて
「もっかい?(もう一回?)」
とリピートリクエスト。
集中するときはこんなお顔になるんですね。先生知らなかったよ。
リトミックは、1歳からたくさんのねらいに基づいてカリキュラムが
組まれています。
音への身体反応をはじめとして、色の認識、イメージ活動、音の高低や
ニュアンス表現、モンテッソーリ知育に触覚を刺激するクラフトワーク。
その中でも、みんなと呼吸をあわせて感じるアナクルーシス(準備)、
クルーシス(到達点)、メタクルーシス(弛緩)の共有は、1歳のこの
時期にしか味わえないような、何だかものすごく祝福された幸せな一体感
をもたらすものだなあ、と個人的に思っています。
彼女は、毎回のレッスンでこれらを存分に受けとめ、いっぱいに感覚を
伸ばし、得たものをわたしに伝えてくれていました。
小さな彼女とのコミュニケーションに、何度癒されたか、力をもらったか
わかりません。
幸いお引越し先には、私も師事したことのある素晴らしい先生方が講師
をつとめるリトミック研究センター認定教室があるとのことで、ご縁を
嬉しくご紹介させていただきつつ、まさに巣立ちに際した親鳥の心持ちで
彼女とお母様の後ろ姿を見送りました。
私とのレッスン時間は彼女の人生にとってわずかなものではありましたが、
これからの大きな歩みへ向けた動力に、すこーしでも手を添えられたなら
と思います。
今後も音楽とともに、健やかに伸び伸びとますます大きくなられますよう
お祈りするばかりです。
さて、年度末。
彼女に続いて、リトミッククラスではご入園等々に伴うご卒業も待って
います。
この時期のこの目覚ましい成長を間近で見られなくなることは、今から
非常に寂しい思いですが、残りのレッスンでほんのすこしでも、皆さん
の今後の飛躍の糧となる力が蓄えられることを願って、残りの今年度を
がんばります。