ピアノひみつ道具①つらい反復練習に
*はじめに『ピアノひみつ道具〜練習のつらさをやわらげる処方箋』をお読みいただけると幸いです
ピアノひみつ道具①
つらい反復練習などの励みに
『なつかしビーズコースター』
■目的1:反復練習に集中する助けとして
□使用法
・つまづきやすい部分をくり返し練習するとき、
1回弾くごとに
①とてもよく弾けたら『黄』
②まあまあ合格なら『赤』
③惜しかったら『白』
④全然だめなら『青』
のビーズを1個ずつ動かしてカウントします。
□ねらい
・4段階評価が目に見えることで、良い色の
ビーズを動かすべく集中しやすくなります。
・合計10回弾くなど回数を決めると飽きずに
取り組みやすくなります。
・ビーズを動かすのは生徒本人でもできます。
客観的に評価するきっかけになります。
□解説と実例
・小さいお子さんは反復練習で飽きやすいので
ゲーム性が助けになればと思い使っています。
普通にくり返し弾くよりも表情が明るく、
燃えている生徒さんが多いです。
・私の息子は0歳のころからビーズコースターが
好きだったので、ビーズを動かすだけで嬉しく
10歳になっても使っています。
1回動かすごとにリラックスできるので、
気持ちを切り替えやすい面もあるようです。
・レッスン室の見えるところに置いていますが、
小さい生徒さんは「あれやりたい」と指差し
自ら部分練習に取り組むこともあります。
■目的2:ひとりで譜読みする励みに
□使用法
新しい曲を自分ひとりので譜読みするとき、
①楽譜の1段目おわりまで譜読みできたら
『白』ビーズを1個、
②2段目で『赤』
③3段目で『黄』
④4段目で『青』
のビーズを1個ずつ動かしてカウントします。
*1段ずつでなくても、1小節ずつなど状況に
応じて小さな目標を設定します。
*1段目を3回ずつ弾いて次に進む、などの
くり返し練習にも使用します。
□ねらい
・楽譜が複雑になってくると譜読みがおっくうに
なります。目標を小さく設定し、精神的負担を
軽くして取り組みやすくします。
・『青』までひとりでできたら今日は終わり、
など練習の目安がわかりやすくなります。
□解説と実例
・私の娘は譜読みが苦手です。新しい曲は家族の
誰かが横で教えながらでないと全然弾く気に
なりませんでした。これではいけない!と
自力で読ませるものの、どれだけやっても
進まなくてしくしく泣き出します。
譜読みの原理はわかっているので、とりあえず
1小節だけがんばろう、がんばったら数えよう
というルールで、ビーズを使い始めました。
やはりビーズが増えていくのが励みになり、
そのうち1小節ずつ、1段ずつとだんだん
ひとりでできるようになっていきました。
今6歳ですが、新しい曲に取りかかるときは
自分でコースターを持ち出してピアノの脇に置き、
ビーズをかたんと動かして譜読みをしています。
ひとりでやりきったことが目に見えてわかると
達成感が得られるようです。
ザバッと逆さにしてやり直し
■目的3:ミスカウント
□使用法
曲の通し練習などで、ミス1回ごとに
好きな色のビーズ1個をカウントします。
□ねらい
自分のミスに意識を向けさせ、完成度の高い
演奏を目指します。
たくさんミスをしてしまっても気にせず
カウントし、それをだんだん減らすことを
目標にします。
□解説と実例
・特に男の子や活発な性格のお子さんに多い
のですが、つっかえ弾きでも曲の最後まで
行けたら満足して、はい次、と楽譜を次に
めくってしまうことがあります。
ちょっと待って今何回間違えたかな!!と
ビーズでカウントすると20回などという
ことも。
悔しいのでこれを0回にしようというと、
意外とはりきって集中し、その場で半分
ほどになります。
翌週のレッスンまで0回にするのを宿題に
すると、だいたいのお子さんが、2回以下
程度まではがんばってくれます。
・単純な音のミス以外にも、強弱やタッチなど
注意点を“忘れた回数”をカウントすることも
あります。コンクールなど本番前には”減点”
をおもしろおかしくスリリングに数えます。