ピアノひみつ道具④きょうのれんしゅうノート
ピアノ練習の量と質の向上をめざして
「きょうの れんしゅうノート」 を作りました。
これまで小学生以下の子供さんのレッスンでは、
市販のレッスンノートに練習してほしいことを
書いてお渡ししていました。
でも、頑張って書いても家ではまったく見返して
もらえなかったり、私もすべて細かくは書ききれ
ないので、楽譜に書き込む以外には口頭で伝えて
終えるようになったり、お互いに活用しきれて
いないモヤモヤがありました。
そもそも小さなお子さんたちは、家で練習しなさい
と言われても、何を練習すれば良いのかはっきり
わからないようなのです。
私が伝えきれていないのも多分にあるのですが、
1週間の間に忘れ去られることも多くあります。
特にこの年代の方がコンクールを受けるなど、
曲の高める仕上げの段階でいかに質の良い練習を
するかは、お子さん本人のモチベーションはもち
ろんですが、結局のところそれに勝るくらい、
親御さんのサポートがどれだけ大きいか、という
面もあるように思われます。
でも、小学校で出される宿題は、ドリルやプリント
のようなものであれば、それを1年生でもほぼ自分
一人でやり遂げることができます。
多少難しくても、量が多くても、ドリルやプリント
などは、やるべきことが見やすくはっきりしている
ので、自分でやれるのだろうと思います。
ピアノの練習も、お子さんがなるべく自分一人で
理解しながら練習できることが理想です。
そして、難しいこともなるべくはっきりとわかる形で
まためげずに何度も繰り返して練習できるよう、
願いを込めて、このノートを作りました。
■このノートのねがい
・ピアノの練習が自分一人でもできるように
・もっと素敵に弾ける方法を忘れてしまわないように
・たくさん練習した記録を残しておけるように
■使い方
・まず、曲のどこからどこまでを練習するか決めます
・今できていないところや、もっと上手になりたい
ことを書きます
・そのための練習のしかたを書きます
(その1とその2 があります。その1ができてきたら
その2に進みます)
・書いたことに気をつけながら1回弾いて、できて
いたら1回目のところに◯をつけます
できなかったら、×をつけます
・10回繰り返したら、◯と×の数を数えて書きます
◯が多くなったら、勝ちということにします
勝ちが多くなるようにがんばりましょう
■ノートの効果
・どこからどこまで、と決めることで、部分練習に
取り組みやすくなります
*なんとなく最初から最後まで適当に弾いて練習を
終える、という状態が改善します
・自分のできていないところが何なのかを自覚できます
*レッスンで指摘された音の間違いがずっと直らない、
などという状態が改善します
・できるようになるために、どんな練習をすればいいか
がわかります
*レッスンで先生と練習したら上手に弾けたのに、
なぜかやり方を忘れて元どおりになるのを改善します
・◯と×を記録することで、集中して練習できます
*◯か×は、自分で判断してつけられるようにします。
まず自分で弾いた音を評価しようとすることが大事
です。
わからないお子さんには、気にせずわかるまでもう
一回弾き、考えさせます。親御さんはヒントを与えて
くださる程度が良いと思います。次第に×をつけたく
ないという心理が働き、ゲーム感覚で集中できます
*一度◯にできても、気を抜くと簡単に×になります。
一度できただけでは定着しないことを自覚し、10回
弾いて◯の数が多かったら、勝ちということにします。
特に男の子は◯が多い=勝ち に達成感を得られるようです
*練習するものの全然うまくいかず、かといって、×を
つけたくなくて、◯になるまで何も書かないまま時間が
過ぎて行くことがあります。でもうまくいかないことも
練習であり、何度も挑戦したのだから、もし全部が×に
なっても大丈夫、練習の記録として、残しておいてほしい
とお話しています
1かいひいて‥
マル‥にしとく‥
■補足
・毎回のレッスンで私が記入しますが、ご家庭でも自由に
お母さんや自分で思いついたら書いて、どのような形でも
活用しています。
・このノートが合う方も合わない方もおられるかと思います。
また、中学生以上にもなると◯や×をつけるまでもないと
思いますが、できないところをできるようにし、その成功率
をあげるという練習方法は同じです。
すべきことを整理し、見える化する目的で、メモがわりに
使用する方法もあります。
100回れんしゅうもあります
ーー
表紙はうちの教室看板をモチーフに、例によって夫が
4色で作ってくれました。何かの小説の装丁のような
雰囲気のあるデザインで、私もかなり気に入りました。
このノートを作る前は、何枚かのプリントをホチキス
留めして作っていましたが、1週間すると紙がしなびて
ぼろぼろになり、私でも書き込む気持ちが失せました。
今回きちんと印刷会社さんに作っていただいたノートは
下敷きなしで鉛筆書きしてもあまり裏写りせず、練習の
記録を残し続ける目的にも適うかなと思いました。
たとえば学校の宿題でいうところの漢字の書き取りに、
プリントでなく漢字練習帳を使っていく感覚です。
また今後、年齢に応じたマイナーチェンジなどもして
いきたいです。
ついでにオンライン販売用サイトも作ってもらいました。
https://horiepiano.thebase.in/
1冊480円で販売しております。
もしご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。