ピアノ300年の歴史のふりかえり(おひきぞめ2018と、ぴあのわ2018)
今年は「ピアノ300年の歴史」というテーマを自分に課しました。
1月発表会「おひきぞめ」での「べんきょうかい」にて概要の提示、6月弾き合い会「ぴあのわ」での「ピアノたんけん」にて実践に至り、今は検証の時間です。
◯ 1月28日発表会「おひきぞめ」@クロスランドおやべ
発表会後半「おひきぞめべんきょうかい」では、ウラディーミル・アシュケナージのサイン入りスタインウェイピアノを背に、「ピアノせいちょうものがたり〜ピアノ300年の歴史」についてまとめました。
その1 ピアノがうまれるまで(バロック)
その2 ピアノはうまれてはばたいた(古典/ロマン)
その3 ピアノはどこまでいけるのか(現代)
おひきぞめ2018ダイジェスト
おひきぞめべんきょうかい その1『ピアノがうまれるまで』
◯ 6月3日 弾き合い会「ぴあのわ」@竹田楽器
第5回ぴあのわ番外編・こどもぴあのわ遠足ツアー 〜むかしのピアノをみにいこう〜
「ピアノたんけん」の時間には、竹田楽器さんの御厚意に甘え、今演奏したばかりのホールのピアノを解体して調律、整音を体験したり、
竹田楽器さんに展示されている大変貴重な鍵盤楽器、チェンバロにクラヴィコード、フォルテピアノ、1本ペダルや5本ペダルのピアノに実際に触れさせていただき、
鍵盤の軽さや重さ、音の硬さや柔らかさ、ひびきのひろがりかた、なくなりかたをみんなで確認することができました。
なぜ、今のピアノがこのようなかたちで、このような音色になったのか。
300年かけて、ピアノはどうなりたがっているのか。
今年の上半期をかけて自分に課したテーマでしたが、検証し振り返って思うことが、既に1月のおひきぞめプログラムノートに書かれていたことをふと思い出し、愕然としました。
これは私が書いたものではなく、夫が書いたものですが、原稿ができてきて初めてこの文章を読んだときには、本気で泣いたものです。
数ヶ月、ちょっと忘れていました。
半年かけて考えてきたことは、すでにはじめから答えが出ていました。 しかもこれが書かれたのは今年にさえ入ってなかったし‥
‥釈然としないながらも、ひとまずこの結論に自分の実感をもってたどり着くことができ、まわりの皆様にも夫にも、感謝でいっぱいです。
【1月28日「おひきぞめ」プログラムノートより その3 近現代 ピアノはどこまでいけるのか 】
現代のピアノの基本はブロードウッドの時代に完成されましたが、それ以降も、より良い音を、より良い音楽を求めて、たくさんの人たちがピアノの改良に携わってきました。
今日、このホールでみなさんが弾くピアノは、スタインウェイというピアノです。1853 年にアメリカで設立されたピアノ製造会社・スタインウェイのピアノは、「神々の楽器」と呼ばれています。それほどに、たくさんのピアニストや、音楽好きの人たちから愛されてきたピアノです。
スタインウェイピアノに込められた技術については、ここではとても語りきれませんが、その根っこにあるのはきっと、これまでピアノを作ってきたたくさんの人たちへの尊敬の気持ちと、「もっと良いものがきっとできるはず」というあきれるほどの熱意です。
今日この場所で、スタインウェイのピアノを演奏するみなさん、その演奏を聴くみなさんは、300 年以上前のクリストフォリの時代から脈々と続いている、「ピアノ馬鹿」の線の上に立っています。そして深く愛され、守られています。
私たちもきっと、どこまででもいけるはず。今年もみなさんが、ピアノと一緒に素敵な体験ができますように。